わたP

市民ケーンのわたPのレビュー・感想・評価

市民ケーン(1941年製作の映画)
3.5
一定のジャンルとして存在しているある人物の栄枯盛衰物語の代表作として名高く、"世界最高の映画"と語られる今作を初めて見ました。

「ばらのつぼみ」という言葉を残して死んだメディア王ケーンの波瀾万丈の人生を、記者がその言葉の意味を探るため近しい人物に話を聞きながら回想していくというストーリー。
次期大統領候補とまで言われ、世の全てを手に入れたかに見えた男が手に入れられなかった「ばらのつぼみ」が意味するものはなんだったのか。
映画中の人物が結局それを知ることはありません。その場面をもって人間というのは絶対に孤独で、他者から推し量られるというのは不可能だし、その行為自体が間違っているのだと感じました。

これは個人的な傾向なのですけど、ある程度の年代を過ぎた映画を見るとどうしても自分とは無関心な話に思えてしまって、登場人物達の感情を思ったように受け取ることが出来ません。
ただこの映画で描かれていることは、形を変えて脈々と受け継がれて現代でも描かれる普遍的なテーマであると感じ、ははーっ勉強になりました。という気持ちが先行してやっぱりあまり楽しくみることが出来なかったです。
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