たむランボー怒りの脱出

オレゴン大森林/わが緑の大地のたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

5.0
初ポール・ニューマン監督作。マジで弩級の傑作だった!!!オールタイム・ベスト入り!!!スト破りの頑固者一家の話。世間体とか気にせず嫌わられても信念貫いて世間を馬鹿にしていく姿勢が痛快で感動的。

「土方映画」の傑作。大がかりな土木作業の魅力を存分に写し出すカメラ。自然を相手にした肉体労働に常につきまとう生命の危機をさりげない編集で不穏に醸し出していく手腕も素晴らしい。アクション映画、サスペンス映画としての土方映画。この点、いつか土方映画傑作選として『超高層プロフェッショナル』と2本立てとかやってほしいと思う。

(以下、ちょっとネタバレ⚠️)
水の恐ろしさをここまで残酷に焼き付けたフィルムも珍しいのではないかと思われるくらい水が怖い映画。丸太に潰されて身動きが取れずに溺れそうになって死ぬか生きるかの瀬戸際で、誰もがもう死ぬかもしれないなと思っている場面での、リチャード・ジャッケルのぼやけた笑顔が水中に見える瞬間など、本当に残酷すぎて見ていられない……。死ぬ直前まで冗談を言っていて、いざ死ぬとなってもその笑顔がまだ残っている……。
「死への移行」がここまで印象的な作品もないな…という。リチャード・ジャッケルの場面だけでなく、ヘンリー・フォンダの場面にしてもそう。父が死ぬ瞬間に背を向けていたポール・ニューマンが、その最後の「声」とも言えぬような奇妙な「音」で死んだことを理解する瞬間も本当に良い…。

TSUTAYA発掘良品、久々に大当たりだった。そういえば『超高層プロフェッショナル』も発掘良品だった気がする。