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シン・レッド・ラインのyatsuのネタバレレビュー・内容・結末

シン・レッド・ライン(1998年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

自然は調和しているのか。俯瞰してみればその様に見えるが目線を合わせれば軋轢や不和の集合体であると解る。
集合体同士の争いである戦争。そしてその中の兵士達の群像劇としてもその不和が描かれている。上官と部下、手榴弾とピン、夫婦と裏切り、原住民からの親しみと怒り、良心と無関心、何かの切っ掛けで歪みが生まれ崩れる。戦闘の前線、そして色々な事柄の歪みの臨界点としてもレッドラインという言葉を観じた。
兵士の独白と原住民の歌、世界の無秩序と不和の中で、精神性に対する問いとそこに救いを求める叫びのような悲痛さ、美しさがある。
単なる戦争映画として観ると滅茶苦茶だけどなんとも言えない綺麗さがある映画。不謹慎ではあるけど、この自然の営みにおいて残酷さと綺麗さは同義であると云う様な観念も見えてくる。
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