けーはち

モ’・ベター・ブルースのけーはちのレビュー・感想・評価

モ’・ベター・ブルース(1990年製作の映画)
3.2
黒人音楽ものだがメロウな吹奏楽で始まるOPで意表を突く形。英才教育を受けジャズ界の新星となったトランペッターは自分本位の周りが見えない男。ギャンブル中毒の友人をマネージャーにして借金のカタにボコられて演奏を断念、家族愛に回帰、という纏めてしまえば紆余曲折ファミリードラマ。リズミカルにしゃべくりまくる豪華黒人俳優陣の中で監督自らチビの身長に劣等感があり「ジャイアント」とあえて名乗るマネージャーを演じており、黒人同士の間でも体格などで差別される実情を生々しく描く(ルッキズムは万国共通当たり前すぎて、あえて差別と言うほどでも無いかも知れないが……)。実際ジャズマンであったスパイク・リー監督の父親の半伝記で彼が音楽監督も務めているが、あまりリアルに寄せすぎると面白味がないと思ったのか、ジャズ奏者が突然ヒップホップ風のラップをやるなど現代風に寄せるアレンジがあしらってあり、そのせいで後世の人間はどう観れば良いのかの勘所が判りにくい感。