流離

ヒポクラテスたちの流離のレビュー・感想・評価

ヒポクラテスたち(1980年製作の映画)
4.0
私にとって大森作品のベスト

高校時代、夜中にふとつけたテレビでやっていたのを観たのが初めて。とにかく長く感じたのだが、思わず最後まで観てしまった。私は、この映画の主人公達のたぶん一世代下。明るい期待を持っていた大学生活に、ある種の暗さを投げかけられたのも事実。

今も活躍する俳優さん達の若かりし頃の姿、そして手塚治虫さんや鈴木清順監督など、バラエティーに富んだ出演者、今考えるとすごいキャスティング。当時、どれくらい話題になったのかは知らないが、私は何回かテレビで観たのである。偶然だったのかな。でも、全部深夜放送だったかも。

映画の最後に、素っ気なくテロップで流れるその後がいい。その中で優秀な女医さんになると思われた伊藤蘭さん演じる女学生のその後に、愕然とした。もう観られなくなってしまったが、実家にはCMをカットしながら一生懸命録画したベータビデオが残っているはずである。そして、古尾谷さんに合掌。
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