けーな

シルクのけーなのレビュー・感想・評価

シルク(2007年製作の映画)
2.4
「海の上のピアニスト」と同じアレッサンドロ・バリッコが原作。「海の上のピアニスト」がとても好きなのだけれども、これは、あまり好きになれず。何故なら、日本が出てくるので、やはり、どうしても日本人からすると違和感を感じる部分もあって、入り込めなかった。

主人公は、マイケル・ピット演じるエルヴェ。妻は、キーラ・ナイトレイ演じるエレーヌ。2人は、フランス人で、大半は、フランスが舞台だけれども、この映画内で、フランス人は、皆、英語を話している。

簡単にストーリーを言ってしまうと、エルヴェが、蚕の卵を買いつけに日本に行き、そこで出会った少女に心奪われるという内容。美しい妻がいるのにね。西洋人からすると、東洋の神秘的な魅力に惹きつけられてしまったということなんだろうけど、どうも納得できなかった。相手は、少女っていう設定だけど、少女には、見えないし。芦名星は、謎めいた雰囲気を上手く演じていたけど。最初の登場シーンで、あの村の、あの状況で、真っ白の着物を着て、お茶を点てるって、あり得ないと思っちゃって、受け入れられなかった。

1800年代の話らしいけれども、フィクションということもあり、正確な年代も表示されないから、日本での動乱っていうのが、何のことだか、はっきりしないし。恐らく、幕末の動乱のことじゃないかと思うが、山形の酒田や、信濃の国で、何があったのか、疑問。さらに、訳あり風な原十兵衛が、一体、何者なのかも、よく分からないから、モヤッとした。

フランスから、陸路で、ロシアを横断して、密輸船で、山形の酒田に入るというルートは、凄いなと思った。しかも冬に。冬のシベリアを横断するなんて。さらに、一瞬だけど、交通の要衝として、キエフも出てきたので、ロシアのウクライナ侵攻が起きている今、やはり、キエフは、昔から重要な都市なんだなと分かり、複雑な気持ちになった。

中谷美紀、國村隼も、存在感あって、良かった。そして、最後の方に出てくる少年が、本郷奏多だったからびっくり。今やってる朝ドラ「カムカムエブリバディ」で、毎日観てるから。この映画の時には、17歳だったようだ。

オチは、なかなか良かったとは思う。

ユリが咲くお庭が素敵だった。
けーな

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