ダイナ

トイズのダイナのレビュー・感想・評価

トイズ(1992年製作の映画)
4.5
子供心で見ると楽しいけども大人目線で見るとなんとも不気味に感じる世界観は「ミッケ!」を読んでいるような。チャーリーとチョコレート工場の最序盤の工場入り口で人形が踊っているシーンが好きな人はまず気にいるでしょう。(と思ったらティム・バートンも本作の制作に参加しいているらしい)生気を感じない無機質な空間と景色の宝箱、「liminal space」好きに刺さるのでは。

おもちゃ会社現社長のレスリー(演ロビン・ウィリアムズ)に対し兄貴(演マイケル・ガンボン)が会社を乗っ取り軍事教育に特化した玩具開発へ舵を切ろうとし兄弟間で大激突するというお話。ややアダルト要素ありで反戦メッセージが垣間見える点がおもちゃというテーマとのギャップで面白いです。ハンスジマーの心揺さぶる音楽では誤魔化しきれない疑問点が色々と出てくるものの、この世界観を表現してくれただけで製作陣に感謝を捧げたい。

幻想的かつ童心をくすぐるファンシーでカラフルな世界観「だからこそ」不気味で異様で吸い込まれそうな、なぜか不安がゾワっと刺激されるこの感覚が気持ち悪くてとても良い。玩具工場のとても広い室内に無駄に空間を専有する部屋やパズルのように狭まる部屋、ラジコンが並走するうねる通路、絵画のような家。この世界に入ってみたいけど1人にはしてほしくないような、楽しく眺めていたいけどなんか不安になる感覚がとても素晴らしい。狂気のトイワールド、みんな童心に帰って不安になればいい。
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