大盛り

水戸黄門の大盛りのレビュー・感想・評価

水戸黄門(1960年製作の映画)
5.0
「えどは、水をくみ上げる方のえど」
に、無言なご老公が怒ってるように見えて、緊張しながら画面に食い入ってると
「ああ……井戸甚左衛門さん」
とご老公が言うので、ああなるほど考えてたのね!しかも、井戸さんなんだって(笑)

えど甚先生がなんともいい。
一膳めし屋に集う面々や四郎吉が、先生を大好きな気持ちよくわかる!大友柳太朗 最高!!
材木屋での「お前たちはダメだでば」のあたりとか、最後のシーンも言い方とかが和やかで、印象的で好き。

中村嘉葎雄の格さんは新鮮!
助さんと駕籠屋に扮するところは、やっぱりおもいしろい!
有能でなり切ってる。というより普通に町人!って感じにしてあってコミカル(笑)

すっげー、遠くからすっとんできた四郎吉。
あの登場がキャラクターを物語ってる!っていうのと、上から、距離感を感じさせるあのシーンはすごい。
群衆の全体と、誰かの部分だけみたいなのが細かく切り替わって、規模感がしぜんに伝わってくるの好き。

あの、めし屋の雰囲気すごいいい!
怒った四郎吉親分にぽんぽん怒鳴られてる、えど甚先生の「ほえ~?!?!」みたいな顔が最高。
「世話の焼ける焼き芋」
って!うまいこと言うな江戸っ子(笑)
「俺から出たと言わねえで……」
の部分の錦ちゃんの目線の動きが好き。
四郎吉は威勢の良いキャラクターだけど、しぐさが饒舌な面も多くていろいろに気持ちを表わしてるのいいな。
貧乏ゆすり的に腕を動かしてるところからじれったい感じがガンガン出てたりとか(笑)

全くの先入観かもしれないけど、
「中将殿のお願い、上様において叶え難しとの……」
の部分の説得力は市川右太衛門だからこそ!と思う。

そして、ああいう感じにご老公とネズミの話をするなら、やっぱ片岡千恵蔵だよね!とも思う!配役までなんとも好き。
大盛り

大盛り