垂直落下式サミング

未知空間の恐怖/光る眼の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

未知空間の恐怖/光る眼(1960年製作の映画)
3.8
DVDは続編と二本立て収録。
ある日、村中の人間が一斉に意識を失う事件が発生し、その二ヶ月後に村中の妊娠可能な女性が全員妊娠していたことが発覚。生まれた子供たちは奇妙な髪色で高い知能を持っていて、やがて思念で人を操るテレパシー能力を発揮し始める。
何の前触れもなく村中の人々が全員昏睡状態になったため、村と一切の連絡が途絶えるところから、かなりわくわくする。助けに行こうとした人が、村に一歩足を踏み入れた途端にその場で倒れてしまうから、有毒ガスや放射能汚染を懸念して軍が出動するも、科学的にまったく理解の外な出来事で途方にくれる様子が、超ストレンジャーシングス。
軍部は早くから子どもたちを危険視し、成長する前に殺処分しようとしているのに対して、ひとりの父親でもある科学者は、未知の存在を研究するため子供たちの保護を訴える。ご近所さんが勇気を出して立ち向かうも、逆に火炙りにされたりする。これら大人たちの対立も見所。
主人公は、政府にも顔が利くほど優秀な科学者なのに、思考を読み取る子供たちを倒すために、頭のなかでレンガの壁をイメージし続けることで対抗手段としてゴリ押すパワー系。キサマ!いったい何を考えているっ!と子供たちの瞳孔が光ると、脳内のレンガが崩れていくマインドスキャン返し。マンガである。
子供たちを殺すことを決断した博士が、長年連れ添った愛犬に別れを告げる。動物なら言葉が通じないから、本音になれる。ペットあるある。犬飼うなら、このくらい広々とした大きなお屋敷で飼ってあげたいな。
この白黒のガキは、あんまりかわいくないどころか憎ったらしくて残念。健全な家庭で育ったエエとこの子なくせして、それ以上を求めてるのは、たとえミュータントでも許容できない。
イギリスのド田舎は、ちょっと物珍しくてそこそこ風光明媚。英国安物ホラーの華、バーバラ・シェリーは、美しエレガントかわいい。