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Virginia/ヴァージニアのNTKのレビュー・感想・評価

Virginia/ヴァージニア(2011年製作の映画)
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「ドラキュラ」といい、コッポラ監督はゴシック(?)なテーマが大好きなんだな…というのがよく分かる作品、ずいぶん昔に観た時にはあんまりピンと来なかったけれど久々に見返したらすごく複雑に要素が絡んだ作品だったんだな〜…というのが分かる 

娘を亡くしたオカルト小説作家、寂れた田舎街、過去に起きた子供殺しの猟奇事件、謎の少女ヴァージニア、夢の中に現れるエドガー・アラン・ポー、これらが時系列をあやふやに、霧の如くもやっと展開されるので最初こそは??ってなるけれども、ボルティモアは今の今まで娘の死の罪の意識がずっと重くのしかかっていて、夢の中に現れるエドガー・アラン・ポーはダンテの「神曲」のウェルギリウスの立ち位置なんだな…というのに今回の鑑賞で気づいた。そして、ポーは迷える魂であるボルティモアをウェルギリウスと同じように夢/幻想の世界で導く存在であり、ボルティモアと同じく愛しい人、妻のヴァージニアを亡くして彷徨える魂でもあるという二つの側面を持っている登場人物だったんだな…
身元不明の少女の杭を抜くシーンは「杭=ボルティモアの罪の意識」であり、ラストシーンはそれを抜く心像イメージのシーンだったんだろうなあ…という個人考察にしておく…それにしてもこの作品、夢か幻想か現実かごっちゃになるシーンが多くて頭の切り替えが難しくてついていくのにやっとだ…でもやっぱりコッポラ監督にゴシックな題材で撮らせたら幽玄でダークな画面になるのさすが過ぎる…コッポラ監督の好き!を撮る姿勢が大好き!!!!

(エルファニングは映画内でなんかすぐに血塗れにさせられるけれど、その気持ちもわかる美しさだよねえ…真っ白なゴスファッションも画面に映えてて良!!!)
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