あ〜やっと見れた見れたっと。
この監督は、どうしてこう、ドロドロした男女の色恋物語、監督の言葉を借りれば「軽佻浮薄な一夜の恋愛模様」を、好き好んでモチーフにするのでしょう。
何か相当の思い入れがあるんだろうな。
本作で僕は確信したんですね。
だけど監督著「カメラの前で演じること」を開くとそこにはほとんど、「演技」と「カメラ」の話しかしてないんですね。
映画という虚構めいた子供騙しのカラクリに、如何にして説得力とナマ感、マジックを引き起こすことができるのか。
もうこの事しか考えてないというのがよく分かりました。
やはりカサヴェテスの影響が強いようです。
綺麗好きで潔癖症の人が、むしろかえって人間の不完全さやハリボテな様に惹かれしまう、とでもいうのでしょうか。
濱口監督の映画にはいつもどこか怖い印象を覚えますが。
それはまるで、映画でフランケンシュタインの怪物を生み出そうとしているみたいな。
顔は笑ってるけど目はガチみたいな。
映画で禁忌に触れたい。
危険な遊戯を覗いているような気分になる。