菩薩

8月の終わり、9月の初めの菩薩のレビュー・感想・評価

8月の終わり、9月の初め(1998年製作の映画)
4.3
ルドワイヤンがかわえぇやん過ぎて5点付けたくなっちゃうけど、自分は存在していないんじゃないかって嘆いていた人間がちゃんと自分の死をもってその不在を周囲の人間にありありと植え付けていくんだからもう泣くしかないし、ムロツヨシにしか見えないフランソワ・クリュゼがなんであんな可愛いラブラブラブちゃんに愛されてんのか分からんし、高橋ジョージみたいでキモいなと思ったが、おそらくエイズが原因で死んだであろう彼とは対照的に、彼の不在に惑わされる事もなくティーンエイジャーとしてのその後の人生に歩み出しているイチャコラが最高であるし、彼女にエイズは移っていない→最後の一戦は超えていない?(丁寧に愛されていた)って理解でいいのかな、逆山Pみたいな。最近は自分が死ぬ時の事ばかり考えているから、俺はこのまま社会的に不在のまま、誰かの思い出に縋って生きる事はあっても誰かの思い出の中で生きる事は無いんだなとか思ったら違う涙が出てきちゃったし、このコロナ禍で金銭感覚がバクり過ぎて買い漁った各種DVDは、きっと遺品整理業者によって「孤独死したシネフィルの遺品」とかタイトル付けられてヤフオクに出品されて安く買い叩かれるんだとか思ったらめちゃくちゃ虚しくなってしまったから、誰か俺が死ぬ前に死後の譲渡契約を結んでくださいお願いします。編集者と執筆家ってモチーフはそういや『冬時間のパリ』でもやってるし、それは監督と俳優の関係性に通じるだろうから好きなのかね、知らんけど。中身が入れ替わる不動産(家)、1度目は引っ越しで2度目は遺品整理、家ってやっぱり人生そのものだからそこに閉じ籠ってるってそこで終わりなんだよな…。中2かよってくらい狭いコミニュティの中でくっ付いたり離れたりようやるわと思ったが、そんな揺れ動きが今となっては羨ましい。
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