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永遠に美しく…のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

永遠に美しく…(1992年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

不老不死の薬を飲む女性の話。

老い=時間というテーマにしろ、最先端のVFXを駆使した映像にしろ、実にロバート・ゼメキス監督らしさを感じさせる作品でしたね。

美と若さに執着する女性達のブッ飛んだキャラクターは面白かったし、首が回転したり、腹に穴が空いたりするビジュアルは今見ても新鮮。
技術云々以上に、映像としてのインパクトがあるからこそ、古びれずに見れるのでしょう。

物語的には、女性達が男性も不老不死にしようとして失敗してしまうわけですが、男性が不老不死を拒めたのは、男性であり、医者でもあったからだよな~と思ったり。
女性の方が若さに対する重圧は大きいだろうし、女優という仕事は年齢で仕事が減ったりするわけですよね。

そういうジェンダー的な差別や社会的な抑圧を描かずに、彼女達を「美と若さに執着する狂った女」へと落とし込む作りには違和感を感じました。
本作を見る限り、「女性は美と若さに執着し過ぎ!」という偏見を助長させてる様に見えるし、もっと言えば、「女性に美と若さを求める男性側に責任はないの?」と思うわけです。

そういう意味では、彼女達は被害者でもあるし、そもそも、美と若さを追及して生きるのも別に良いじゃないですか。
犯罪に手を染めてるわけでもないのに(殺人未遂はしたけどw)、まるでゾンビの様にカリカチュアして描くのは、美容整形やアンチエイジングへの嫌悪感の表象に思えてなりません。

彼女達を否定しておいて、じゃぁ健全に年老いた老婆でも出てくるのかと言うと、出てこない。
そうなると、「おい!ゼメキス!お前も結局は若い女が好きなんだろ!?」と思ってしまう。
この辺はもう男性監督の限界なんだろうし、今なら彼女達に寄り添える女性監督の手でリメイクしても面白いかもしれませんね。
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