カッチェ

永遠に美しく…のカッチェのレビュー・感想・評価

永遠に美しく…(1992年製作の映画)
4.0
感想①「タイトル通りの美女が共演」
この映画まず何が驚くって、出演時の女優の年齢。ゴールディ・ホーンは当時47歳でメリル・ストリープは43歳。その二人に不老不死の薬を売るクレオパトラのような美女のイザベラ・ロッセリーニは当時40歳。映画を観てない方はそれがどうした?と思われるでしょうが、もうこの年齢に驚愕するわけですよ。メリルとイザベラはとにかく美しいし、ゴールディは50歳手前なのに本当に可愛い。全員が現実世界でも不老不死の薬飲んでるんじゃないかという風貌。
とくにゴールディは娘で女優のケイト・ハドソンが「(65歳になった)ママは若い頃よりも今の方が綺麗だし、私よりもスタイルが良くて美しい」と彼女に言ってしまうくらいですから、この映画でのゴールディ(47歳)の美しさが想像できるかと。

感想②「無駄なシーンが全くないテンポの良さ」
落ち目の女優マデリーン(メリル)が出演するミュージカルを、婚約者である美容外科医のアーネスト(ブルース・ウィリス)と一緒に鑑賞しに行ったヘレン(ゴールディ)。
ヘレンは歴代の恋人を彼女に取られたことを恨んでおり、自慢する為に楽屋を訪れる。ファンだったマデリーンに会ってデレデレするアーネストに気を付けるようヘレンは忠告するのですが、アーネストは「俺は全然興味ないから大丈夫」と答える。が、そのシーンの直後にマデリーンとアーネストの結婚式シーンに突入し思わずふき出しましたよ(笑)

そして物語は7年後。婚約者に裏切られ激太りし、猫だらけのゴミ屋敷でマデリーンが映画の中で殺されるシーンを何回も巻き戻して観る生活を送るヘレン。太った特殊メイクの出来が素晴らしい。ついには精神病院に入れられマデリーンのことばかり話すので、医者から「彼女のことは忘れなさい頭の中から徹底的に消し去らなきゃ」という助言を、なぜかあいつを殺せばいいと解釈するヘレン。おいおい(笑)

そしてさらに7年後。映画始まってからもう14年経過してしまった(笑)テンポが良すぎて笑いが止まらない。マデリーンは老いた自分の体に恐怖を感じる日々を過ごし、夫のアーネストとは仮面夫婦状態。そんなある日、ヘレンの出版パーティーに夫婦で招待され、太った彼女を見て馬鹿にしてやろうと考えたマデリーンだったが、目の前に現れたのは若い頃のような美しい姿に戻っていたヘレン。それが何より悔しかったマデリーンは通っている美容エステを頼るが上手くいかず、若いツバメにも逃げられ、生きる気力を失いかける。そこで彼女が思い出したのはエステ会社の社長が紹介してくれた秘薬の話で、その場所を訪れることにする。一方ヘレンは、アーネストにマデリーンを殺す計画を持ち掛ける。
ああ、駄目ですね。この映画、テンポが良すぎてあらすじを説明すると文章が逆に長くなってしまう(笑)

感想③「不老不死の薬の表現がうまい」
露出狂かと思う姿の謎の美女リスルが、不老不死薬をマデリーンの手に1滴落とすと、みるみる皺が消えていきハリが戻る。1992年の作品とは思えないほど、よく出来たシーン。若さが戻った片手と元のままの老いた片手を比べるシーンも上手く出来ている。そのあと全部薬を飲むと、垂れていた胸も寄せて上げて状態になり、同じく垂れていたお尻もキュッと上に。このシーンも上手く出来ていて古さを感じません。

感想④「冴えない男を演じるブルース・ウィリス」
最初に登場する時は髪があるので、これブルース・ウィリスか?という感じでした(笑)年老いたら薄くなったのでいつもの彼に。マデリーンとヘレンの板挟みになるのでモテモテかと思えば、冴えない情けない男。女優と美容外科医ということもあり豪邸に住んでいますが、実は結婚後は転職し葬儀屋で遺体の特殊メイクをする仕事していて自信を無くしています。情けないブルース・ウィリスが愛しい。

感想⑤「蒲田行進曲よりエグイ階段落ち」
口論になり暴言を吐かれたアーネストが、怒りのあまりマデリーンの首を絞めて階段近くまで追い詰めます。ですが正気に戻って悪かったとすぐ手を放しますが、位置が悪かった。マデリーンはすでに階段から落ちかけており、アニメみたいに両手をパタパタしてバランスを取ってる状態。助けてと言ってるのに中々気付かないアーネストに、「なにやってんの能無し」と言ってしまいマデリーンは指チョンされ落下。その階段落ちシーンが怖すぎる。長い階段だし落ちるスピードは速いし音も怖い。なにより転がり落ちてる途中で首や体中の骨が折れてるのが分かる。

腕や足が変な方向に折れ曲がり、何より首が反対方向に曲がってしまっているマデリーンの死体を見て、気が動転したアーネストはヘレンへ電話。その後方で、なぜかピクピクと動き出し、体も首も折れ曲がったまま起き上がりだすマデリーンの姿はどんなホラー映画より怖い。特殊効果凄い。
さて、ここからがやっとこの映画のメインなんですよ。104分なのにボリュームがありすぎて。もうこの後も笑えるシーンがたくさんあるし、名女優の女の戦いが始まるし、なによりこの映画は最初から最後のシーンまで面白さがつまっているのです。昔に何度かテレビで観たんですけど、久々に観てもやはりラストシーンまでずっと面白かった。

感想⑥「不老不死になったスターたち」
実は不老不死になった設定で、とあるシーンでちょろっとだけスターに扮した人達が出てきます。私は3人見つけましたが、ひょっとしたら他にも居たのかも。ちなみに2人は目立つのですぐ分かりますよね(笑)
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