原作未読、加瀬亮さん出演作品を見たくてたどりつきました。
加瀬亮さんは、少年スタートから、年月の経過と合わせて、プラトニックでストイックなんだけど、大切に壊さないように、でも深く愛してく想いが、漏れて滲み出てて、こんなふうに生涯をかけて想われたのなら、そりゃ、死んでもいいわと、思いました。
8ミリで撮影されるシーン、照れる感じが堪らんかわいらしかったです。
宮沢りえさんも、(折れそうに細いんですが)美しいのは当然なんですけど声の表情がほんとに好き。
一方で、個人的には、そのお二人の演じた感じと、老いてからを演じられたお二人が、あんまりしっくりと繋がらなくて、そこが、少し残念でした。
最期に上映するのが「無法松の一生」っていうのは、留吉のトヨへの想いのメタファーでもあるのかなぁと。
最期の、最大級の、でも決して表立つことのない切ない愛情表現、って感じがしました。
蚊帳にホタルは、幼いころ経験があるので、(ロマンチックとは違いますが)懐かしかったし、夏虫といえば、身を焦がす想いのあらわれ、秘めやかでありながら、じんわりと熱を帯びていくような、とても美しいシーンでした。