スワヒリ亭こゆう

オリヲン座からの招待状のスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

オリヲン座からの招待状(2007年製作の映画)
1.6
filmarksのユーザーさんならばこの映画に出てくる様な味のある映画館も乙に感じますよね。

ノスタルジーを具現化した様な映画館・オリヲン座。確かに一度行ってみたくなりました。
シネコン全盛の時代だからこそミニシアター系の映画館に魅力を感じます。


で、映画の本編についてですが、朝ドラを2時間弱にした様な映画で、ストーリーに深みがなく、じっくり伝えないといけない部分もあっさりしていました。
何とか泣かせようと必死になってるのが逆に冷めてしまう典型的な駄作です。
昭和に映画館を絡めたストーリーなら、何とかなると思ったんでしょうか?


登場人物の役にも問題がありました。
宇崎竜童演じる映画館の館長松蔵と宮沢りえ演じる奥さんトヨ二人で切り盛りしている映画館に加瀬亮演じる留吉が弟子入りするんです。
松蔵が病に倒れ亡くなった後は留吉とトヨで映画館を継いでいくんです。

宇崎竜童と宮沢りえが夫婦というのに違和感ありますよ。
松蔵が死んだ後、留吉とトヨが恋に落ちるのは、あまりにも不義理に感じます。
それならば松蔵とトヨは親子でいいと思いました。それならば松蔵亡き後、留吉とトヨが結ばれる事に何の違和感も感じないと思うんです。


それと、一箇所どうしても分からないシーンがありました。
松蔵亡き後、留吉が映写技師としてオリヲン座を切り盛りするんですが、テレビが普及し始めて映画産業が傾き始めてしまい、オリヲン座も閑古鳥が鳴き始めるんです。
で、トヨと留吉は晩ごはんを映画館の売店の売れ残りのあんぱんで済ますシーンがあるんです。
その時に加瀬亮の口の横が殴られた後みたいな痣かあるんです。
で、その直後のシーン。
近所のうどん屋の客が留吉とトヨの仲を噂していてオリヲン座の悪口を言っている。それを留吉が聞いてしまい、トヨを悪く言っていた男に問い詰め、喧嘩になり留吉は殴られてしまうんです。
家に帰るとトヨに殴られた顔を見せない様にする留吉。

このくだり、アンパン食べる時に殴られた痕があり、その直後に喧嘩のシーンになるんですが、映画的な演出で順番を入れ替えてるとは思えなくて、編集ミスかな?と思いました。
本当に狙いが解らなくて編集ミスだとしたら相当酷いですよね。

それと、もう少し関西弁のできる役者はいなかったんでしょうか?
宮沢りえ、加瀬亮、原田芳雄。みんな下手くそでした。
恐らく、原作の段階で昭和の戦後なは映画が大衆の娯楽になっていた時代の田舎を舞台にした時に、解りやすく東京と区別するために関西弁を使ってるのかな?と思います。
慣れ親しみのない方言だと言葉の響きが難しくなるし、かと言って訛りが弱い地方だと昭和の街並みなので東京の古い町に見えてしまうのを恐れたんでしょう。
敢えて関西弁を話しておけば地方感が出ますからね。
それならばもう少し関西弁を練習するべきです。