勝沼悠

オリヲン座からの招待状の勝沼悠のレビュー・感想・評価

オリヲン座からの招待状(2007年製作の映画)
4.0
 50年前の京都、行くあてもなく小さな映画館に住み込みで働かせてもらう若者とそこの若奥さんとの純愛を描く。

 テーマの一つは古きよき時代を丁寧に描くことだったのかと思う。「ALWAYS」なんかのわざとらしい感じのノスタルジックではない、自然な感じが好き。
 この映画は50年後の現代、二人の離婚した夫婦がこのオリヲン座から閉館謝恩上映会の招待状をもらったことをきっかけに会うところから始まる。この二人は客が入らない頃のオリヲン座で主人公の二人によく面倒を見てもらった当時の子供たち。
 主人公二人は住み込みで働く男と未亡人で、結婚できないまま「夫婦みたいなもの」としてずっと年を重ねていく。自分たちの家庭に難があり、その二人を両親の様に思う二人の子供たち。そこにできる家族みたいなものがこの映画の中の大きなテーマなんだと思う。

 ゆったりとふんわりと見れる映画。でもノスタルジックだけじゃないのがまたいい。
勝沼悠

勝沼悠