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ゴジラVSビオランテのmitakosamaのレビュー・感想・評価

ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)
4.3
平成「vsシリーズ」が本作をもって本格始動。
大森一樹は賛否両論あるが、やはりいまゴジラが生き残ってるのは、氏の功績が大きいと思う。
84ゴジラから世界観を引き継ぎながらも大幅に路線を変えて、大人の鑑賞に耐えれるストーリーの一例として明確に打ち出した。
バイオテクノロジーや遺伝子操作など、当時の「神の領域に踏み込む」科学技術の進歩を取り入れ、スパイサスペンスなども盛り込み、人間の業の深さなどを描いたドラマの完成度の高さ。明らかにそれまでと一線を引いた物語になったと思う。
そして大森一樹の功績として1番上げたいのは「統一世界観の構築」。第二回東宝シンデレラの小高恵美は今作以降、三枝未希なる超能力少女として一貫して出てくるし、国家体制で対ゴジラ組織を設ける、スーパーXを始め超兵器の路線もちゃんと引き継ぐ。

敵怪獣ビオランテのビジュアルも斬新だった。G細胞と薔薇の融合というモチーフと設定のマッチングも上手かったし、造形としての美しさも白眉だと思う。個人的見解だがイリスと並ぶ美しい怪獣だな。
新造系のゴジラも大きく変化。頭が小さくなり顔も爬虫類的な質感に肉食動物的な生命感があり、怪獣大戦争以降の「どこかユーモラス」な人間臭さの排除に成功した。

サントラは珍しいことにドラクエや競馬のすぎやまこういち。これも本作の特異性に拍車をかけてる。

まぁ、ラストシーンの空に浮かぶ巨大沢口靖子はご愛嬌ですよ。笑
あと、ライフルをもって階段をちょこちょこ降りるスナイパー。

歴代ゴジラで初ゴジに継ぐお気に入りな1本。
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