ビョーキノオタク

天国に行けないパパのビョーキノオタクのレビュー・感想・評価

天国に行けないパパ(1990年製作の映画)
4.0
健康診断で余命わずかの宣告を受けた定年退職まぢかのおじさんが、愛する息子のために死亡保険金を残すために殉死しようと、危ない事件にばっかり首を突っ込む。

死にたいのになかなか死ねない。
凶悪犯からすればどこまでも追ってくるクレイジーなジジイという構図が面白おかしく、犯人追跡のカーチェイスシーンとか、「クルマってこんなベコベコになっても走るんだ!?」と笑いながら見ていたけど、アクションシーンも力が入ってて見応えある。

定年退職まであとわずかなので危険な事件には首を突っ込まないような性格だったのに、死を覚悟してからは、別居中の奥さんにこれまでの感謝の言葉を伝えて仲直りできたり、
人生が上手くいかない爆弾立てこもり犯の心情に同調してしまったり、
死を意識した瞬間から生が輝きだすという含蓄のある物語も良い。すごく良い。

昨日みた「ノッキン・オン・ヘブンズドア」とか「恋はデジャヴ」とか、それまで人生を蔑ろにしていた人間が、生きることの意味を見出すって構図にどうも弱い。