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バニシングIN TURBOの一人旅のレビュー・感想・評価

バニシングIN TURBO(1976年製作の映画)
3.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ロン・ハワード監督作。

富豪の父が決めた相手との結婚を嫌がる娘・ポーラが、愛する青年・サムと一緒にラスベガスを目指し逃亡する姿を描いたカーアクション。
B級映画の帝王、ロジャー・コーマンが製作したB級アクションであり、娯楽映画の名匠、ロン・ハワードの記念すべき初監督作品。そして、クレジットには編集:ジョー・ダンテの名が。ジョー・ダンテは『グレムリン』を始め、『インナースペース』や『マチネー/土曜の午後はキッスで始まる』などの名作を生み出したSF・ファンタジー映画の大先生で、個人的に好きな監督の一人。本作のスタッフ欄を見るだけで、数々の監督を育て上げたロジャー・コーマンの偉大さが良く分かる。
内容は70年代に量産された王道的なカーアクション物。カーチェイス、カークラッシュ、ロマンス、コメディ。娯楽的要素をふんだんに取り入れた演出はB級感たっぷり。高級車ロールス・ロイスを四方八方から容赦なくぶっ潰す贅沢(?)な演出は迫力満点。映像にも拘っていて、スローモーションで見せる衝突の映像は鮮やかな美しさを感じさせる。
また、一般市民を食い物にするメディアのモラルの欠如とそれに翻弄される大衆の関係(この精神は『エドtv』で結実したかな?)や、多額の懸賞金に釣られてカップル追跡に乗り出す人々(神父まで金の亡者になる!)の浅ましさを物語の中に暗に含ませているのも特徴だ。
ちなみに、ポーラの恋人・サムを演じるのはロン・ハワード監督本人。ただ、俳優としての存在感はいまいち・・・。
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