大好きな勝新太郎の「座頭市」、私はこれに限っては本人が監督までするテレビシリーズの座頭市物語が大好きだ。
本作は、初作品との事だがてっきり既に観たもんだと思い込んでたが、見落としてた。また、シリーズ物だがモノクロ映像が味がある。
敵役に、クールさと粋な雰囲気を持った天知茂。
座頭市ではありがちだが、彼らの勝負は敵味方でも怨恨でも復讐でも無い。まさにこの作品の真骨頂である宿命を諦観するのみ。
まだ処作という事で市の勝新太郎も若く、坊主頭、ヒゲももみあげもない…まだ、舞うような大人数を相手に斬りまくる殺陣はないが、いわゆるヤクザ同士の(出入り)では多くの若衆が死ぬ…その姿をモノクロ映像がより悲惨さを伝え、市も逃げ回った親分を怒鳴りつける。こういう演出はどんどん無くなるので、ある意味新鮮であった。