笹川パンダ

座頭市物語の笹川パンダのレビュー・感想・評価

座頭市物語(1962年製作の映画)
3.7
お芝居の緩急のつけ方が上手いなと思う。かなり意識的にやってるように思われる。セリフが流れるように進んだ後、急にピタッと止まったり、少し強めてまた先に進んでいく。

構図に対する強いこだわりが分かる。ただそれだけでは物足りなさもある。

演出力で言えば黒澤明と大差ないというかむしろ上手い部分もあるのかもしれないが、のちの評価を分つのはやはり分かりやすい派手さがないことか。洗練されているが故に、地味だし悪く言えば普通。黒澤明の画面はカメラが動き回るし、とにかく派手で素人でも凄さが分かる。洗練されているだけでは時代の荒波に勝てないことが分かる。個々の作品より最近は映画史の流れを見ている。
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