トクナガ

雨のトクナガのネタバレレビュー・内容・結末

(1932年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

キリスト教的な保守思想と自由的な思想の対立を描くことで、前者の無自覚な暴力性を暴き出す映画だと感じた。作中に出てくるデイビッドソンやその夫妻は正しい人間ではあるんだろうけど、自由なトンプソンに過剰なまでにつらく当たる。その際の理屈も有罪でも無罪でも救われるために罪を償うべきだという権力の判断を擁護している感じがどうにも納得できなかった。トンプソンが結局罪を償うことで納得したのかなと思いきや、最後の日には普通に音楽をかけて遊び人の女に戻っていたので単に演じていただけだと思われる。ラストにデイビッドソンが自殺したというのは意外だったけど、罪がないのに裁かれるトンプソンに同乗して自殺したということなんだろうか?このあたりの解釈が難しい。
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