カンパッチー

SONNY ソニーのカンパッチーのレビュー・感想・評価

SONNY ソニー(2002年製作の映画)
3.6
ニコラス・ケイジ初監督作品ということですが、とても地味な作品ですがうまくまとまっていて、ジェームズ・フランコが男娼のとても繊細な役でとにかく美しいです。

ジェームズ・フランコことソニーは母親に徹底的に仕込まれた男娼で、恵まれた容姿と素晴らしいテクで沢山の女性から愛されていますが、この環境から抜け出すことが出来ず「人生はやり直すことができるのか?」というテーマで、同じ体を売って暮らしている娼婦のキャロルが「普通の暮らしをして、人生をやり直したい」と言うとソニーが「やり直せないよ」と言ってしまいます。

1度は軍隊に逃げ出したけれど、結局男娼という仕事に戻ってしまった彼はカタギになることに不安になり環境を変えることも一歩踏み出すことも出来ない、全てが虚しくなり一夜だけとはいえ自分を必要とするおばさんたちに体を売ってしまうという蟻地獄から抜け出せない、やり直すことなど娼館で育った自分たちには無理だと諦めてしまっています。

しかし、キャロルの行動によってラストはハッピーエンドともどちらとも受け取れるようになっていて監督のニコラス・ケイジは観客に自分たちで選んで欲しいという意図でこのラストシーンにしたそうです。地味ですが実に良い映画。

ニコラスも監督作とはいえゲイ役でちょこっと出ていて相変わらず彼が出てくるだけで全て持っていてしまいます、そこのシーンは本当に笑えました。

監督作、この1本だけじゃ勿体ないと思いつつ本国ではソニーの評価が良くないのが2本目に繋がらないのかなぁ、、お兄さんの作品よりよっぽど面白いのに勿体ない!

とにかくジェームズ・フランコ好きなら文句なしでおすすめ!お色気ムンムンで美しく、裸シーンだらけなのでぜひぜひ!