Millet

スタンド・バイ・ミーのMilletのレビュー・感想・評価

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
3.9
たいした出来事はおこらない、ただ少年時代を過ごした人ならどこかしら誰かしらに共感することが出来るだろう。

昔年下の元彼に「人生で一番好きな映画は何?」と訊いた際に出てきたのがこの映画のタイトルだった。理由に関しては「言葉にできないけど好き」だなんて、ずいぶん引っかかる言い方をしてくれちゃったもので。
その彼氏と別れて結婚した今もスタンドバイミーのタイトルを目にするたびに思い出す。
あの頃、少し遅れてきた青春を取り戻すかのようにお互いぶつかり合って想い合った時の甘酸っぱさみたいなものを。

閑話休題。
学生時代の友情や青春なんて、線路のように永遠に続くものかと思っているが、実際にはそうではない。たくさんの分かれ道を経て、また再開することもあれば、ただ思い出すように過ぎ去っていくだけのこともある。
それをこの映画のオチが表現している。

個人的にお気に入りのシーンは、冒険から帰ってきて、それぞれいろんな言い訳めいた別れ言葉を残しながら家に帰っていくシーンだ。
きっとあれから家に帰った子供たちは親に叱られながらも泥のように眠って、学校が始まる頃には冒険に出る前とは違う価値観や考え方になって顔を合わせたり合わせなかったりしたんだろう。

たしかに一言で表現するには難しい。それでも純度100%の青春映画だ。
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