橘

ジェイン・オースティンの読書会の橘のレビュー・感想・評価

3.5
とある読書会で出会った年上の友が「この映画で読書会楽しそうと思ったから参加した」みたいに言ってて、それからその時出会ったもうひとりとその人が連れてきたひとの計4人で定期的に読書会を開催していたのを思い出すなどして、観ました。
10年越しくらいでようやく。すっかり長い付き合いだなぁ……この発言した友人としか、今は会えていないけれど。ライフステージ変わると揃うのはなかなか難しいです。
読書会、オンラインで企画はされてたけどまだ実現されておらず。課題本は、川上弘美「猫を拾いに」。わたしはまだ待ってるわ………

とか言って、ジェイン・オースティンは未読です。「オメラスから歩み去る人々」や「ゲド戦記」の作者アーシュラ・K・ル=グウィンは読んでる。フィリップ・K・ディックは「高い城の男」が好き。SFも読みます。
でも食わず嫌いは良くないのでジェインも読んでみます。(今つくづく本棚眺めたけれど、持ってる海外女性作家、アンナ・カヴァンやシャーリイ・ジャクスンだ…果たしてジャンルが全く違うジェイン・オースティン読めるのか…?)

この作品、読書してるシーンはあるし人が本読んでる姿好きなのだけれど、肝心の読書会シーンはあまり無いのがちょっと寂しいです。
同じ本でも読んだ人の数だけ読み方があるのはとても面白い。読書会、課題本形式もだけど、本紹介形式も楽しくて好きです。

あんなにギスギスゴタゴタしてた割に、驚きのない…良い感じに誤魔化すと安心安全な形に納まるのがなんだかちょっと。。恋愛至上主義だなぁ、ジェイン・オースティンがもしかしたらそうなのかもしれないけれど。
バーナデットは好き。
グリッグ、並の神経じゃこの面子に入っていけないと思うけれど、あんな感じのお姉さんに囲まれて育ったならつよい。毎回あの辞書みたいな本を律儀に読んでるのは可愛いです。他の人みたいに各作品のペーパーバックならソファでもベッドでも読めるけど、傑作選?みたいなあれは机でしか読めん。
終盤、プルーディーの夫の株が爆上がりしたわたしは単純だなと思いました。「この人読書するんだ…」と思ったら色眼鏡の度数が上がる、TWDのメルルが良い例です。
でもやっぱり夫のあの軽さはついて行けないかも。いや、読書会の会員皆さんの感覚について行けない、だな。ふわっとこの結末で…良いのね。。。



気に入ったのはオープニングの、日々の地味な失敗エピソード。地味すぎてかえってダメージ食らうやつが連発されていて笑いました。
エンディングの、仕事してるスタッフを写した写真も素敵でした。
…この映画でわたしの好きなところ本筋に関係ない最初と最後なの??びっくり。
橘