奇跡 御言葉(原題)
愛が忘れていたよろこびを歌い出す
その人は、高みから、水と精神から生まれたのである。
生命の身体も、声も、空間の一部である。動的に開かれていく空間は、マクロでは宇宙へ…
キリスト教のグルントヴィー派(ボーオン家)と内的使命派(仕立屋)の対立は日本人にとっては微妙な差異であるが現世に重きを置くか否かという点で根本的に相容れない。死産して4つに解体されて摘出された赤子は…
>>続きを読む〈宗教観の鶴瓶打ちと、その先に確かに待つらしい超自然的瞬間〉
本作品は実に多様な宗教観が展開される。キリスト教に敬虔な者。不信な者。その両方を肯定する者。宗教観はあるが禁忌の恋に屈する者。キリス…
奇跡が実際起きたのかどうかはこれもよく分からないし、タイトルも「奇跡」というよりは原題の「(神の)御言葉」の方がふさわしいが、この映画に出会えたのが奇跡というくらい完璧な作品ではなかろうか。
ほ…
神の不在どころか神の実在を証明しながらも、その神はただの厄介者でしかなく、ひたすら障壁として聳え立ち、与えることもせずただ奪い続けていく「死神」と同一視される。この物語の中の男達はなにかと理由を付け…
>>続きを読む「社会の抑圧と不寛容」をテーマとして描くデンマークの巨匠、カール・テオドア・ドライヤー監督が「対立と和解」を描いた作品です。この複雑で深遠な作品をどのようにわかりやすく解説するか、これこそ「試練」で…
>>続きを読む99点
地主であるボーオン農場一家。
厳格な父。
信仰心の薄い長男と嫁と娘。
自らをキリストだと言い正気を失ってしまった真面目で信仰心の厚い次男。
同じキリスト教でも宗派対立する家(親父同士がバ…
このレビューはネタバレを含みます
基本的にロングショットの横パンで物語が進行する中で、少女のショットが特権化されている。狂人の叔父と語るショットは180度の円形レールが用いられ、クライマックスでは数少ないワンショットの画があてがわれ…
>>続きを読む(c) Danish Film Institute