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奇跡の10000lyfhのネタバレレビュー・内容・結末

奇跡(1954年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

1925年デンマークの地方を舞台に、家父長制、キリスト教内の宗派対立、精神疾患、死者の生き返りの奇跡など、宗教を中心に複合テーマを盛り込んだドラマ。自動車は医者など上流階級のもので農民たちは馬車、電話は庶民にも普及済み、という時代背景。時間経過を示したり死亡時刻に止めたりなど時計の効果的な使用、シーンによって有ったり無かったりの象徴的な洗濯物、逆光など、前作に引き続き職人的な演出。映像は、パンを多用し、人物の出入りが多く、同一カットで複数のシーンにもまたがるミドルショット主体で、技巧的だ。雰囲気的には、数年後のベルイマン神の沈黙三部作、特に『鏡の中に』に似ている。ラスト、難産と共に死亡した長男の妻が、精神疾患から自分をキリストと信じる次男の祈祷的宣告で生き返るのは、リアリズム映画と思って観ていたので本当にびっくりした(CU はこのラストのみだったと思う。効果的な CU 限定使用)。たまにはこういうびっくりハッピーエンドも悪くない。劇伴は弦楽、前作と同じ作曲家
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