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奇跡のkuuのレビュー・感想・評価

奇跡(1954年製作の映画)
4.5
「キルケゴールの所為なんだ。」◎



カール・テオドア・ドライヤー監督作品
原作はカイ・ムンクの戯曲"Ordet"『御言葉(オルデット)』
原題は上記の戯曲と同名

なぜか書きたいことが多く😅長くなります🙇

大地主でそれなりに裕福な農家に生じたいくつかの困難を通して家族愛・寛容・忍耐・赦し・信仰などを描いた作品です。

演劇をスクリーンで観ているようで楽しかったです✨
お互いを見つめるよりカメラに向かっている時間が長い…人物がほぼ重ならずフレームに入っている…何度もドアを開け閉めする…それと同時に場面が変わる…まさに舞台そのもので非常に面白かったです。

デンマークの田舎の風景がいいです!丘があって広大というよりは狭くて小さな土地が寄せ集まった感じが落ち着きます。懐かしい感じがします。
インテリアも素敵です💕さすがデンマーク!有名な陶磁器をこれでもかと見せつけられ目の保養になりました。モノクロですがモノが良いのは伝わります。
家具も品よく置かれシンプルでスッキリしています。だからこそ人物の存在感が増しているような気がしました。

特に父親の存在感は強く思わず見入ってしまいました。ジャケ写にもなっている次男も見ていて面白いのですが…原題の通り「言葉」に重きを置いてあるので思ったほどの存在感はありません。それも監督の狙いだとしたら…などと勝手に思いを巡らせて楽しみました。

立場や考え方の違いについての描写も良かったです。キリスト教の宗派・地主と小作・親子の世代間・男女・職業・大人と子供…考えさせられる点が多かったです。
仕立屋のペーターのある台詞はグリム童話『勇ましいちびの仕立て屋』を彷彿させるところがあってデンマークらしさを感じられて面白かったです。

クライマックスに向かうシーンでの長男の嫁の美しいこと!あの神々しさには圧倒されました✨
振り子の時計が時を刻む…命とともに振り子が止まり…命と共に動き始める…この演出が好きです!

そしてモノクロの楽しみが溢れた数々のシーンが今でも目に焼き付いています。鋭さもあり柔らかさもあり…どちらかというと明るい色合いでした。光を多く感じました。そのためか実際の映像の色を感じることはあまりありませんでした。それが私にとっては聖書の言葉とこの作品の結末をすんなり受け入れることができた要因のひとつです。

最後にこの作品はちょっとだけ飯テロ映画です。コーヒーにクッキー💕カフェイン好きの方は劇場にドリンク持ち込み必須です(笑)私は劇場を出て喫茶2件ハシゴしてしまいました😭

まだまだ書きたいことがあるのですがネタバレ過ぎるのでここら辺で!

RIOさん✨クリップして1年8ヶ月…やっと観ることが出来ました😭観て本当に良かったです♪ありがとうございます💓
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