おかちゃん

奇跡のおかちゃんのレビュー・感想・評価

奇跡(1954年製作の映画)
3.5
ドライヤー3作品目。
これは、楽しむ事が出来た。

▪️義理娘の死産以降、舞台劇で展開する(吉本新喜劇の舞台のよう🤭)。
このシークエンスを、恐ろしい長回しで撮る。これは、役者力量で随分負荷かかる。当時の役者さんは、個性的な演技は薄いが、筋書の中にすんなりと同化していると感じるのは、私だけかな?
▪️宗教的復活祭
ここで、延々と自問自答するのは、宗教上の復活に対する「奇跡」。ただ、私は無神論者なので、ここまで拘る意味が理解出来ない。
所謂復活の映像は、神々しく美しいだけに、宗教観と実存的哲学思考との隔たりを感じてしまう。
▪️ヨハンネス
彼のような世俗にまみれていない(?)者の方が心理をつくというのは、分からなくもない。前述の隔たりを繋ぐのが彼のような存在なのか?

1954年製作という時代を考えると、欧州での宗教的真理はこの様に捉えられていたのかと推察したのでした。