菅藤浩三

一日だけの淑女の菅藤浩三のネタバレレビュー・内容・結末

一日だけの淑女(1933年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

普段は街でリンゴを歩き売りしながら、ニューヨークでほそぼそと暮らしているアニー。アニーは、バルセロナでスペイン人の伯爵と交際している娘との手紙のやりとりを他の楽しみにしていた。その手紙をの中で、アニーは、ホテルで裕福な紳士の妻として、豪勢な暮らしをしていたとウソを書いていた。そんなある日、娘から、スペインからアニーのもとに、伯爵とその父親を連れて船旅でニューヨークを訪れるので、会うの楽しみという内容の手紙が届いた。とうぜん、伯爵の父は息子の相手が自分たちのどの程度の身分で財力があるのか、品定めもかねてくるのだ。もし真相がバレたら、娘と伯爵との結婚も破談になる!どうすればいいの?途方に暮れたアニー。
 そんなアニーに気まぐれな思い付きで手を差し伸べたのは、カジノに棲みつき賭博で生計を立てるならず者たちの親分、デーヴだった。思い切りキレイにアニーに化粧させて、ビリヤードプレイヤー(つまりばくち打ち)に裕福な紳士の夫に成り済ませ、デーヴは貧乏人たちにセレブの客の演技をさせて、伯爵を歓迎するパーティーをホテルでひらく、つまりデーヴは、アニーを、伯爵たちが来る「一日だけの淑女」にしたてあげる計画を立てた。しかしデーヴは警察に普段からマークされてるやくざ者、警察だって「なんかデーヴがやろうとしてる?」と目を光らせている。果たしてアニーは計画とおり、ホテルで裕福な暮らしをする「淑女」としてやりすごすことができるのか?
 フランクキャプラを三谷幸喜がすごく買ってる監督だというのはわかるし、私もフランクキャプラは大好きである。この映画はまさに舞台コメディ、そして、最後の10分で善意が生み出すウソにジーンとくる番狂わせ。アカデミー賞4部門にノミネートされた、アニーの主演女優はともかく、脚色・監督・作品のどれかはとるに値する水準。やっぱキャプラはサイコーである
菅藤浩三

菅藤浩三