クリムゾンキング

一日だけの淑女のクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

一日だけの淑女(1933年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

浮浪者のリンゴ売りアニーは娘をスペインに留学させるために金を工面する傍ら自分は上流社会のマダムであると手紙にしたため娘を安心させ、娘も伯爵の子息と結婚をすることになっていた。
ところがどっこい伯爵がアニーの身辺調査を兼ねてアメリカへ渡航してくることになり万事休す!窮地に追いやられたアニーを浮浪者仲間を始め町ぐるみで助けて素敵なマダムにへんしーん!させるのであった。

喝采(1929)などもそうだけど子どものために頑張る親という設定が大好きなので今回もどストレート。

「上流じゃなくてリンゴ売りのアニーよ」と自分を卑下するシーンはちょっと涙出てくるし俺だったらお金工面して留学させてくれた「リンゴ売りのアニー母ちゃん」を誇りに思う。子どものために頑張る親を誰が卑下しようか。

「おとぎ話を信じるか?」と言われるように現実味がある話かとか言われちゃうとそれまでだけど、みんな損得勘定抜きで協力してくれるのは本当に温かいしきっとどこかでこういう話があるって信じてる。

浮浪者の格好して話し方もガサツだったアニーが中盤見事に上流社会の貴婦人になるシーンは本当びっくり。
夫役の判事が持参金を提示された際にサラッとビリヤードで勝負にでるシーンは、初めの方の伏線を見事に回収してたし「あー難しいなー俺には無理だなー」とか言いながらしれっと高難度のショット決めてキューをサッとおいて電話取りにいくシーンは最高に格好いい。

この後どうするの?とか普通に思うけどきっともしアニーが死んだ際も周りのみんながうまく取り計らって秘密を守ってくれるだろう。

とってもあったかい気持ちになれる素敵な作品だった。