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アメリカン・アウトローのHKのレビュー・感想・評価

アメリカン・アウトロー(2001年製作の映画)
4.2
監督自身も言ってますが、ジェシー・ジェームズ版『ヤング・ガン』ですね。
『ヤング・ガン』のビリー・ザ・キッドと同じく、ジェシー・ジェームズも言わずと知れた西部の実在のギャング・スター。
当時の新進気鋭の若手スター競演の青春アクション西部劇といったところも同じ。

ジェシー・ジェームズを描いた映画は数多くありますが、本作を観るのは初です。
私が映画と疎遠だった2000年代の作品なので本作の存在自体を最近知りました。

主役のジェシーは当時売り出したばかりのコリン・ファレル(当時25歳)。
『タイガーランド』や『フォーン・ブース』なんかと同時期ですね。
他に同じく実在の無法者コール・ヤンガー役にスコット・カーン(当時25歳)。
父親は先日亡くなったジェームズ・カーン。やっぱり似てますね。

ジェシーの妻になるジー役にはアリ・ラーター(当時25歳、おっと主役3人同い年)。
私はラーターを本作の5年後に始まったTVシリーズ『HEROES』の妖艶なお姐さんで初めて知りましたが、本作では意外や初々しさ全開の朴訥なカントリー・ガールでした。

ベテラン陣は、まずジェシーの母役にアカデミー女優キャシー・ベイツ。
宿敵の鉄道会社社長に、『ドク』でワイアット・アープ役だったハリス・ユーリン。
鉄道会社に雇われジェシーらを追い回すピンカートン探偵社のアラン・ピンカートンには007ティモシー・ダルトン。顔の半分が髭ですが、なぜかグレゴリー・ペックに似てる?

本作は、ジェシーたちの南北戦争の兵役時代から描かれているのが、他の作品と違って珍しいところ。
ジェシーとフランクのジェームズ兄弟の他、後にギャング仲間となるコール、ボブ、ジムのヤンガー兄弟らも同じ部隊で既におそろいのロングライダース・コートを着てます。

史実ではかなり残忍なゲリラ部隊だったそうですが、本作のジェシーは『勇気ある追跡』のジョン・ウェインよろしく、疾走する馬上で手綱を口にくわえて両手で銃を撃ちまくったり、回転アクロバット射撃を披露したりとカラッとしたアクションを見せてくれます。

良くも悪くも伝説のアウトローの義賊的な面を強調したヒーロー活劇となっており、エンディングも『ヤング・ガン』と同じく全盛期の内に明るく幕引き。
同じキャラたちが主演の『ミネソタ大強盗団』『ロング・ライダース』『ジェシー・ジェームズの暗殺』などで描かれたダーティーでダークな面や、後の悲惨な末路は描かれません。
意図的なのか面々にヒゲが無いので皆若々しい反面凄味や貫禄はナシ。
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