いがらっしー

マリアの胃袋のいがらっしーのレビュー・感想・評価

マリアの胃袋(1990年製作の映画)
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平山秀幸初監督作品。
ホラーとも芸術作品とも少し違うけど、増村保造の『盲獣』を思い出してしまう位、不思議な感覚に陥る。しかもブラックユーモア溢れているのは、西岡琢也さんの脚本がそもそも面白いだけでなく、柄本明さんを主役に起用した事が大きいと思う。柄本明さんが「自分の出た映画で一番好きなのはこれだ」と言ったとか(平山秀幸・著『平山秀幸映画屋街道』より)
どことなく愛嬌ある気持ち悪るさが、とても魅力的だ!
『ロビンソンの庭』(山本政志監督)と同じ匂いがする作品だと思っていたら、平山監督もその作品に参加していた事を後で知る。
この映画のテーマは、若い女性のダイエットやバブル時代の話を題材にしたのかな?と思ったりもしたが、「飽食ニッポン」に対するアンチテーゼだった様。
ふざけてばかりに見えた主人公の課長が「シリアスな気持ちになっちゃうよ」と言い出した頃から後半にかけて、このコメディ映画の中に、ちゃんと、今ではヒューマンドラマを得意とする平山監督の片鱗を覗かせている気がして、良い作品だったと思った。
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