映画大好きザウルスくん

ノック・オフの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

ノック・オフ(1998年製作の映画)
2.8
自身が売っていたパチモンジーンズに小型爆弾が仕掛けられていたヴァンダムは、香港で繰り広げられるCIAとロシアンマフィアの闘いに巻き込まれていく…?ザッとこんな話ですがちゃんと観てても理解できているのか曖昧で、B級アクション映画にありがちな「逆に難解なストーリー」になっていました。後の『ファイナル・レジェンド』と同じようなジャッキー色の濃いヴァンダム映画に仕上がっていて、全体的にコメディタッチなドタバタアクションが続くのですが僕がヴァンダムに求めているものとは違ったようで、正直全く好きではない作品でした🫢

まず冒頭シーンから出てくる本作特有の謎ズーム演出がすごく苦手で「これ本編始まってからも連発されたら困るなぁ…😅」と思っていたら、やはりガッツリと連発されてしまい大ダメージ…。この編集に(あとは銃で撃たれた時の無駄に壁まで吹っ飛ぶような演出とかも含めて)乗れるか乗れないかもこの映画を楽しむ上でのキーポイントになってくると思います。

それに加えてアクションシーンの位置関係が本当に分かりづらい!サモ・ハン・キンポーが武術指導をしているだけあってヴァンダムの体技は終始素晴らしくて、特にラストのコンテナ戦での水を利用したアクションなどは見ていてとても楽しいのですが、敵も味方もどこで何のために行動しているのか釈然としない状態が続いてしまい、結果的にヴァンダムってそんなに活躍したかなぁ?と首を傾げたくなりました(そもそもただのチンピラまがいのヴァンダムがCIAと一緒に任務をこなして格闘戦にも1番長けているのがおかしいけども…)。

そしてヴァンダムとコメディテイストな映画の相性についてですが、個人的にヴァンダムの笑いが1番活かされるのは「特別笑いを狙ったシーンではないのにヴァンダムの異様な行動や表情だけで緊張が緩和されて笑える瞬間」だと思っているので、ガッツリとふざけた演出や笑いを狙ったセリフを言われてもあまりピンと来ないところがあります。最近絶賛した『ブルージーン・コップ』や『マキシマム・リスク』で随所に見られたクスッと笑える描写は上記の条件を満たしていたので個人的にどハマりだった訳です(ツイ・ハーク監督×ヴァンダム主演作の1作目『ダブル・チーム』ではコメディ要素をデニス・ロッドマンが全て引き受けていたため、ヴァンダムの良さがちゃんと活かされていました)🙌

小学生の時に木曜洋画劇場のあの予告を観て以来かなり期待していた本作ですが、ハードルを上げ過ぎたためなのかかなりショボンとした後味に落ち着きました。そもそも作品の雰囲気からしてそこまでの熱量を持って観るのではなく、もっと軽い気持ちで鑑賞した方が良かったのかもしれません…。こういうタイプの映画は雰囲気を分かった上で再鑑賞してみると案外良さに気付いたりするので、その時が来るまではしばらく距離を置こうと思います😇