片腕マシンボーイ

うれしはずかし物語の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

うれしはずかし物語(1988年製作の映画)
3.9
こりゃ凄え作品やわ!今まで寺田農の代表作は「仮面ライダーW」やと信じて疑わなかったけども……こっちやったかもしらん!って価値観全部ひっくり返されたね!

40代管理職、部長より上は望めそうにもないが家庭に恵まれなに不自由無い人生、ただどこか味気なく冴えない日々……、そんな時、キュートな若い女の子と出会って久々にトキメキ思い出してきたぞぉ!って話

所詮男なんて馬鹿な生き物やからば若い女が好きなんよね!なんて映画なんかな?思ったら奥さんまで若い男にドハマりし!挙げ句の果てが若い女に翻弄される夫と若い男に入れ込む妻のアンジャッシュ風コントに……

しまった!素晴らしく美しい奥さんいながら他の女を抱きたくて仕方ない映画の例えにアンジャッシュとか出してしまったらこの映画が俄然薄汚く見えてくるんやが、そんなこと無いんよ!本作は多目的トイレを不正利用する様な反社会的なドグサレ作品ではないんよ!

ただ40過ぎのおじさんの冴えない日常の合間に、偶然ひょっこりはたちのキュートな女の子が、金曜日はあなたのモノになってあげる!なんて現れてしまい…
ただ中年になり日々刺激のない生活に飽き飽きしてきた奥さんの心の隙間を埋める様に、性欲盛んな変態男子が悪戯電話で前戯かましてくるもんやから…
ぐふぅ!そんな4人の見事なすれ違いコントにアンジャッシュ味を感じずにはいられんかったんよ!

「冗談はこのくらいにして…」
そうね、良い歳のおっさんが金で若い女の子をどうこうしようなんて作品やし、まぢ冷静に努めても先走り汁が溢れかえっているみっともなさが、まぁ決して褒められたようなキャラでもないのに、何故か寺田農演じる主人公には愛着が持てるし、奥さんも愛人達もみんな愛らしく見えるんは不倫ものとして凄い高次にあるし
挙げ句の果てにラストにめちゃめちゃホッコリさせてくれるこのバランス感覚、近年やと城定秀夫のピンク映画にもこの感覚は感じるところがあるけれど、本作もちょいと凄すぎて感動すら覚えた

そうね、まぢあらすじだけだとヒいしまう善良な方も多いかもしらんが、まぢ素晴らしい傑作映画やからばぜひオススメするぞぉ!うん不倫モノってより遅れてきた青春モノって感じ!

あ…もちろんマシンボーイは本作の可愛げしかない寺田農と正反対な、テラードーパント役の寺田農も変わらず好きやからばみんな安心してくれよね!
(本命はクレイドールドーパントこと若菜姫なんは言うまでもないけどね!ぺろぺろ)