これは凄い!
大戦末期のドイツで招集がかかった次の日に戦場に駆り出される少年兵の壮絶な話。
地元の生活の場である橋が戦場になる恐ろしさ。
戦況も分からず出兵する事に胸躍らせる少年達。
それまでの学園生活、私生活を丁寧に見せて少年達それぞれにドラマがある。親が疎開する者、既に父親が戦死してる家庭、兵役免除されてる父親、不倫してる家庭、彼女がいる者など様々。これら登場人物が多くて白黒映画なので混乱しそうだが見やすくしかもテンポが良いのでグイグイ意気込まれる。
中盤は兵役訓練をしてるが学生気分が抜けない。彼らの通っていた担任の教師が上官に懇願し前線送りは免除されたものの、そこから悲劇が加速していく。
民間人の老人の警告に耳を貸すどころか軟弱者扱い、しかし手足の無い負傷兵を大量に乗せたトラックを見てから深刻さが増してくる。このジワジワと緊迫していく感じが凄い。空爆や戦車の読めない行動に翻弄される彼ら。
音はすれどもなかなかやってこない戦車の恐ろしさ、戦場での出来事は体験談から脚色してるだけあってリアル。
果敢に攻める者、気が動転する者、あまりの惨状に反逆する者と誰一人ヒーローがいないのが戦争の悲惨さが伝わる。
音楽もほとんど掛からないので映像が生っぽい。
ドイツが舞台だが他の国や戦況でどこにでも当てはまりそうな恐ろしさがある。
彼らの演技がとても良かった。
戦後14年で作られているのでほぼ全員戦前生まれというのも感慨深い。
なんて事ない小さな橋が戦場という限定空間だが時間経過や戦況の変化で目まぐるしく変わっていくのも見事。
実話ベースというのも凄い。
パンツァーファウストのバックブラストの恐ろしさを痛感。
学校生活の時の女子の体操着がブルマで3回りくらいデカいバレーボールで何かをしていたがどんな球技だろう。