このレビューはネタバレを含みます
この映画はハッピーエンドである。
基本的にリンチ監督って、
自分が変わり者であり、世間一般と馴染めない部分がある事を認識しているが為、人間嫌いなのではないだろうか?と。
でも、自身もまた人であるが故、誰にでも、自分にも、「善」の部分はあると信じたがっているのではなかろうか?
そしてジョン・メリックこそは、
異形の者として生まれてしまったが為に、
ふつーの人間達がエゴという皮で覆い隠してしまった心の中の真珠を曇らすことなく、輝かせつづけている人物であると。
今作でもリンチ作品ではよく使われる天使のイメージが使われ、ラストにジョン・メリックが天空に吸い込まれていくような描き方をされる。
やはりこの作品もまた、
「善」と「悪」、「神」と「悪魔」
(「ホワイト・ロッジ」と「ブラック・ロッジ」)
を描いており、
一つのピュアな魂が地獄の苦難を乗り越えたのち天上界に召されていくまでを描いた「救済」の話であり、
「偽善」どころか「善性」を高らかに謳いあげているのではないだろうか。