KaNa

エレファント・マンのKaNaのネタバレレビュー・内容・結末

エレファント・マン(1980年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

見世物小屋の人たちに助けられ合流した時のあの時間、表現し難い感情に陥った。症例を見せる学会と見世物小屋の違いはなく、人間の五感が悲しくも視覚に依拠しているものであることをまざまざと再認識させられる

実際のエレファントマンは貧困のために自分の不幸を利用しつつ、暖かい寄付により病院で保護されて、著名人との贈り物も楽しんでいたようだけれど、ふとした時の鏡や、母の写真に対する形見以上の偏執的な思いも、どれだけの救いを施され、生活がよくなったことに感謝しつつも、「普通の人のように眠りたい」という自分の容姿への劣等感があり、母の写真は形見としての美しい思いではなく、自分のコンプレックスのシンボルのように感じた
自分の容姿への劣等感が常に付き纏い苦しくも、最後のシーンで、母の形見以上に優しさを与えてくれたケンドール夫人の写真に大きくフォーカスされていたことと、普通の人のように眠ったことも、哀しくも美しく、とてもよかった。
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