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エレファント・マンのまのレビュー・感想・評価

エレファント・マン(1980年製作の映画)
3.7
"カルトの帝王"、デビット・リンチ監督の代表作。
全編白黒映画で敷居が高いかなと敬遠していたのですがとても素晴らしい作品でもっと早く見るべきでした。

昔からよく言われているセリフ「人を見た目で判断してはいけません」。近年よく言われるセリフ「多様な価値観、様々な人を受け入れましょう」。言葉で言うのは簡単だけど実際やるのは難しいよって感じの作品。

病気により異形の顔・体を持った男、通称「エレファント・マン」を前にしたとき誰しもがはじめはその姿に驚き、恐怖する。たぶんそれが普通のリアクションであり、現実に居てもきっとそうだと思った。

"化け物"と呼ばれた男に興味をもった一人の学者(アンソニー・ホプキンス)。彼もはじめは興味本位だったかもしれない、学会で発表し成功したいだけだったかもしれない、しかし男と交流し本質を知っていくうちにその考えが変わっていく。

一方男もはじめて"人間"扱いしてくれた人たちと触れ合い徐々に"人間らしさ"を覚えていく。

「差別をなくそう」「みんな平等」「お互いの価値を認めてあげましょう」など近年特に偽善的報道をする様になった気がするマスメディア。今までのことはなかった事にしようと言わんばかりにひる返った世の中、政治、企業、教育機関等。そんな奴らが並べてくる御託よりもよっぽど本作を見た方がストレートに伝わるんじゃないかと思いました。
ま