むーしゅ

ワン・モア・タイムのむーしゅのレビュー・感想・評価

ワン・モア・タイム(2015年製作の映画)
2.5
 Amber HeardとChristopher Walken共演のドラマ映画。Amber Heardが髪をピンク色に染めており、何だかAvril Lavigneっぽいです。

 売れないミュージシャンのジュードは、家主ともめたことがきっかけで元売れっ子ミュージシャンの父ポールの家へ居候することになる。同じ職業の二人は互いに思うところがあるらしく・・・という話。ジュードは本当の名前のスターシャドウが気に入らず、ジュードという名前で生きていますが、皆さん揃ってHey Judeと呼びかけるので、don't make it badと続けたくなります。これはわざとなのか?どうなのか?謎です。

 この作品の感想を一言で言うと、「で?」ですかね。Amber HeardとChristopher Walkenの二人はそれなりに良いですが、二人の関係性に関しては映画を見終えても冒頭と特別大きな変化が無いです。父と娘の話なので、そのあたりを深堀してほしいのですが、というかそれを期待して見はじめたのですが、ちょいと喧嘩をしてちょいと戻っただけで、この娘結局また失敗するんだろうな人生に、という感じ。せっかく取り付けたビジネスチャンスをすっぽかしてしまうあたり、いやいやそもそもこの娘に成功する気ないじゃん、と思ってしまいます。二人のキャラクターは成り立っていますが、リアリティー番組の面白くなかった週の様な、根本的にはあまり影響を与えないレベルでの変化だけおきます。そのため「あっこれで終わり?で、どうなるの?」みたいな思いが溢れる作品でした。

 とはいえ、二人や周りの家族の雰囲気は良い感じ何ですよね。父と娘どちらもミュージシャンなので、歌いはじめれば言葉を交わす以上の関係性が成り立っていることがわかります。特に二人のデュエットシーンは何だかとても温かいです。役者陣の作り出している雰囲気が良いだけに、ストーリーでもう一展開無かったことがもったいないなぁという感じがしてしまいます。まぁそこまで求めず雰囲気・空気感を映画にしたのかもしれませんが。Christopher Walkenってやっぱりさすがだなぁ。

 エンドロールでChristopher Walkenの若い頃の写真を使って、いままで発売してきたアルバムジャケット(フェイク)が流れてくるのですが、ここが不意討ちですごい楽しめました。こんなにウィットに富んでいるなら本編にももう一捻りいれてくださいよと思ってしまいましたが。
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