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スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐のkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

スペースオペラの金字塔『スター・ウォーズ』シリーズの第6作にして、宿敵ダース・ベイダーの誕生譚であるプリクエル・トリロジー(新3部作)の第3作。

ジェダイを有する銀河共和国とドゥークー伯爵が率いる分離主義勢力との争いは熾烈を極めていた。
ドロイド軍を率いるグリーバス将軍は共和国の首都コルサントを奇襲し、パルパティーン最高議長の誘拐に成功する。
オビ=ワンとアナキンは議長救出のためグリーバスの旗艦へと乗り込むのだが、パルパティーンにはとある目論見があり…。

監督/脚本/製作総指揮はジョージ・ルーカス。

○キャスト
オビ=ワン・ケノービ…ユアン・マクレガー。
パドメ・アミダラ…ナタリー・ポートマン。
アナキン・スカイウォーカー…ヘイデン・クリステンセン。
メイス・ウィンドゥ…サミュエル・L・ジャクソン。

前作『クローンの攻撃』(2002)と本作の間に、『スター・ウォーズ クローン大戦』(2003-2005)という2Dアニメーションシリーズがあり、そこでこのクローン戦争の内容を詳しく描いているらしいがその作品は未見。

9月18日は敬老の日。というわけでお爺ちゃんがスーパー頑張るこの映画を鑑賞♪
本作ではついにアナキンがフォースの暗黒面に堕ちてしまう。いよいよあのダース・ベイダーが誕生するという『スター・ウォーズ』シリーズの中でも最重要作品の一つ、かつ最も悲劇的な物語である訳だが、そんなことよりもパルパティーンの言動が面白すぎて、もうそこばっかりに注目しちゃう…😂

冒頭から狂言誘拐に勤しむパルパティーンさん。わりと現場主義。
本来ならもっとスマートに事が運ぶ筈だったのだろうが、思った以上にスリリングな状態に陥ってしまう。フォースを使えない普通のお爺ちゃんだったら多分ここで死んでる💦

その後もパルパティーンとダース・シディアスの一人二役を演じながら、着実に策を進めていくパルさん。アナキンを籠絡していく過程がほんとにいやらしい。

じわじわとアナキンを暗黒面に近づけ、ここだ!というタイミングを見計らい、ついにその正体を明かすパル。動揺するアナキン。殴り込みをかけるマスター・ウィンドゥ。
もうこのシディアスvsウィンドゥは最高っ!死ぬほど笑えるっ!!🤣
「うーん。もうダメじゃ〜…。こんなひ弱な老人を虐めないでおくれ〜…。た、助けてアナキン……」からの「パワーーーッ!!!無限のぉパワーをぉ食らえぇぇぇぇ!!!⚡️⚡️」がもう最高オモロい!!抱腹絶倒とはこの事。
ここよく見ると電気ビリビリを食らってるウィンドゥの頭蓋骨が漫画みたいに透けてるんですよね。こんなん完全ギャグやん😅

本作はシリーズ随一のシリアス回。主人公による子供殺しというフランチャイズ映画にあるまじき行為まで描かれている。
しかし、深刻な場面の多い映画なんだけど、実はそれと同じくらいギャグやコミカルなシーンも多い。
あまりにも暗い物語であるため、大真面目にやっていたらファミリー向けの映画にならなくなってしまう。その為、バランスを保つためにコミカルなシーンをあえて増やしたんじゃないのかな?冒頭シークエンスのR2-D2の大活躍なんてほんとに可愛いらしくて何度も観たくなっちゃう🥰

本作はこのシリアスとコミカルのバランスが本当に上手くて、140分という長尺かつ陰鬱なストーリーにも拘らず、全くストレスなく鑑賞する事が出来る。
さらに、シリーズ最終作(その後続三部作が作られたが…)という事もあり、冒頭から最後までとにかく見せ場が怒涛の如く押し寄せてくる。何個クライマックスがあるんだ!?と言いたくなるくらい、とにかく観客を楽しませようという気概が凄い!これぞ娯楽映画だよ♪
前作のラスボスとのリターン・マッチが映画開始早々に配されているという大胆な構成には驚かされたが、その後もオビ=ワンvsグリーバス将軍、ヨーダvsダース・シディアスなど、ド派手なライトセーバー戦が盛りだくさん。一分一秒も退屈している暇はありません。

見所満載の本作だが、その中でも特筆すべきはやはりオビ=ワンvsアナキンの師弟対決。12分にも及ぶ最終対決は当時メディアにも大きく取り上げられていたように記憶している。
もうこの決戦が悲しくて虚しくて…。なんでこんなことになっちゃったんだろうと思わずにはいられない。
そういや今回見返して気づいたんだけど、オビ=ワンはアナキンとは戦えないとヨーダに告げている。しかし、そんなオビを無理やり戦いに送り込むヨーダ。この緑のジジイには人の心ってもんがないのか!?
シディアスはワシがやる!とか意気込んでおきながら結局暗殺に失敗するし…。ほんと役に立たないジジイだよ〜。
ヨーダもシディアスも、その非情さはとてもよく似通っている。フォースのライトサイドとダークサイドが表裏一体であることが、この2人を見ているとよくわかる。

全編にわたりとにかく面白い!ジェットコースター的な楽しさで言えば本作がシリーズ最強。
とは言え、アナキンがダース・ベイダーになる展開は結構唐突。「取り返しのつかないことをしてしまった…」から「あなたの弟子になります」までのスピード感が半端ない💦
アナキンがダークサイドに堕ちる理由もなんか弱くて、うーんこいつには同情できないな、と思って若干白けてしまった。
シリーズを通してアナキンというキャラクターの魅力が今ひとつ伝わって来なかったのは、プリクエルの弱点といえるのかも。脇役であるオビ=ワンの方が断然良いキャラクターなんですよね〜…。
最後、「お前が怒りすぎたせいでパドメ死んじゃったよ」とシディアス卿が言うけどさ。そこで「お前話が違うやんけっ!!!💢」みたいな感じでブチ切れなかった事には違和感。キレたベイダーがシディアスを倒していたら銀河に平和が訪れたのに。
まぁこの時にはもう完全にダークサイドに堕ちているから、そういうまともな判断が出来なくなってしまっていたという事なんだろうけど、少々描写不足だった。

とまぁ気になるところもあるものの、シリーズ完結作としてはこれ以上ない出来だったのではないでしょうか。
これで完全に終わった筈だったが、『スター・ウォーズ』はフォースの暗黒面の力により死の淵から甦り、ゾンビのようにいつまでもその世界を広げ続けている。ダース・プレイガスの悲劇の二の舞にならなければ良いが…。
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