松トー屋

死闘の伝説の松トー屋のネタバレレビュー・内容・結末

死闘の伝説(1963年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

ノワールとは「悪夢ならぬ過ぎし日の魂の呵責」を体感することなのか。いやぁ木下恵介、マジ半端ないな。ノワールとして、集団パニックホラーとして大傑作。タイトルが出て、白黒になった途端に雲の画。映画の中での使われる雲・霧・煙には要注意!まるっきり『ミスト』なシーンもあったな。闇に取り憑かれた文太さんほど怖いものはない。最高!大自然の中で直感的に蠢く村の人々という引きの画が連発されることで、ゆりの言う通り、人間がまさしく虫けらのように見えてしまう。草むらで呆気なく死んでいく様子も映し出され、『ブルーベルベット』を連想せざるを得ない。「付和雷同する熱狂時の本性を暴露し、一つのはけ口に向かって激流のように狂奔する」。人間が一番恐ろしい時がこれ。パニックホラーの真髄。調べたら公開年が『鳥』と同じみたいだなぁ。すげえなぁぁ。
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