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パンズ・ラビリンスのtomie77のネタバレレビュー・内容・結末

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

フランコ独裁政権下のスペインが舞台。大尉と再婚した母に連れられ、山の屋敷に来たオフェリア。冷酷な義父の下で孤独に過ごす彼女は不思議な迷宮で牧神パンに出会う。パンはオフェリアこそ地下の王国の王女の生まれ変わり、王女となるための三つの試練を受けよと言うのだが…。

大人達の残酷な戦闘や目を背けたくなる行為と平行してオフェリアの試練が描かれる。オフェリアの試練の部分はおとぎ話のようなファンタジーの世界で、不気味で独特な美しさがある。特に第2の試練の、ご馳走の並ぶ食卓と子供を喰らう怪物の場面は必見。牧神パンと三つの試練はオフェリアの空想の産物だったのか、あるいは大人には見る事のできない本当の出来事だったのか?色々な解釈ができそうだが、私は辛い現実の下で物語や空想がいかに子供の心の支えになるか、救いになるかが描かれているように思えた。
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