おざわさん

パンズ・ラビリンスのおざわさんのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.8
【観るものの心がそのまま映るギレルモワールド】

同監督の『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』 2023年のアカデミー長編アニメーション賞受賞おめでとうございまーす!

そんなギレルモワールドの中で、まだ観ていなかった『パンズ・ラビリンス』がスクリーンで最終上映されるってことで、こりゃ行かなきゃ損だ!と駆けつけました。

独裁政権化のスペインで幸せな家庭に生まれながら、服飾職人の父を戦争で失ったオフェーリア。

再婚した相手は政権側の強硬なヴィダル大尉で、呼ばれて行った田舎の一軒家はレジスタンスを掃討するための前線基地。
そこには庭に謎の迷路があり、そこに迷い込んだ事からおぞましい現世とラビリンスの向こうの世界を行き来するようになります。

そもそもスタートからホラーなの?と思ってしまうような不穏さで、ギレルモ独特なキャラが誘う世界にどんどん惹き込まれていきます。

生まれてきた時代のせいで幸せな少女時代を送れず、それでも母親のために付いてきた先での辛い日々を逃れるための空想の世界なのか?それとも本当にオフェーリアは王女様なのか???

ヒトは自分の置かれた環境次第で見える景色が変わるんだけど、そもそもそんな見方を選んでいる意識さえ無いもの。

オフェーリアはラビリンスの番人パンが持ち掛けた、3つの試練の中で幾つかの選択をしますが、その結果が正解だったのか失敗なのかも見方次第なダークファンタジーでした。