KUJIRA

ブロークン・アローのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

ブロークン・アロー(1996年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

20世紀に大量に製作された、核兵器がヤバい奴に奪われた作品。今もか。
本屋で同じ本を手に取ろうとして手が触れ合う。
食パンを咥えて角を曲がったら出会い頭に衝突。
と並んで、誰も経験した事が無いのに定番の演出。

忘れていたが、これジョン ウー監督作。
アクション撮りたくて仕方無い人だから、ストーリーは必要最小限。キャラを掘り下げる尺も無い。
サクサク進んで観易い反面、観た後に何も残らない。
頭を使う作品が苦手な人、ただただアクションが好き、と言う方には圧倒的な支持を誇る。

ジョン ウー最大の特徴は、何と言っても火薬量。
車が横転、爆発。
ヘリが墜落、爆発。
ガソリン漏れる、爆発。
爆竹をポキっと折って、火薬を取り出す様な少年時代を過ごしたに違い無い。

そんな火薬王ジョンの爆破は、色が鮮やか。
真っ赤っか。
私は、それが気に入らない。

実際の爆発は、黒煙が大量。
何か燃やしちゃいけない物も含めて、全部燃えてしまっている感。
あの煙を吸ったら体に害があると思わせる説得力。

対して、ウーの赤々とした炎は、BBQしたくなるのが難点。
私はBBQが苦手なので苦にならない。
アウトドア派の人の意見が気になる。

後は、二丁拳銃に触れなければ。
全く現実的では無い。魅せるだけの演出。ウーの二丁拳銃には明らかな特徴がある。
二丁ともほぼ同じタイミング、ほぼ同じ所を撃っている。
そして、何故か前方にダイブして二丁共発射。これは攻撃にメリットが無い上に、明らかに捨て身。

若手だった頃のクリスチャン スレーター。
ヤンチャな空気感が母性本能を刺激する。
私は女性では無いので平気だ。

名優ジョン トラボルタの演技が光る。
かと思いきや、違和感が凄い。
冒頭、飛行機を操縦中に、隣のクリスチャン スレーターを襲う。
その直前の豹変した目付き。
人は悪い事をする時に、わざわざ悪い顔にはならない。
あんな悪そうな目付きをする機能が人間に備わっている事に驚く。

一番酷いのは、タバコの吸い方。
ガリレオの福島雅治みたいに、顔面を手で覆う勢い。
あんなに全ての指をシャキーンと伸ばし切って吸う人を見た事が無い。
手が疲れちゃって、リラックス出来そうも無い。
とは言え、何回か観てるのに、今回初めて気になった。


今作のヒロインは、華は無いが好感度は高い。昨日観た「沈黙の戦艦」のジョーダンに通じるものがある。
来るなと言うのに付いて来ちゃう。
車の屋根に飛び乗ったら隣に。
銃を撃ったり、ハンマーで襲い掛かったり、頼もしい限り。
主人公を助ける働きを見せる。

現実にアクション派の女性とは縁が無いし、女性がアクションを見せる機会も無い。
ただ、暴力的な人は嫌いだ。
映画で観るアクションこなしてる女性を見ると好感度爆上がりなのは何故だろう。
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