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ブロークン・アローのbluetokyoのレビュー・感想・評価

ブロークン・アロー(1996年製作の映画)
2.0
2023年4月21日 13:40~15:40 テレビ東京 吹替え
つまらなさ過ぎて半分ぐらいでもう見るのを断念しようかと思ってしまう。ジョン・ウー監督と言えば、男たちの挽歌だ。かつてレンタルで見たものだ。カンフーとガンアクションが合わさり、さらに、5、6発ぐらい銃弾を受けても大丈夫なんじゃないかと錯覚してしまう不死身ぶりはすごかった。
たしか、敵のアジトかなんかに乗り込むときに、入口に鉢植えがずらりと並んでいるわけだが、その鉢植えと壁の隙間に、拳銃を置いていくわけだ。そして、入口から退却するときに、置いてある拳銃を拾っては、撃ちまくる、なんていうシーンを覚えている。何丁も拳銃を持参していて重くないのだろうかと思ったが気にならない。いま見ようとは思わないけど。

この映画の見どころといえば、ジョン・ウー監督の両手でのガンアクション、ステルス爆撃機、核兵器、そして、ジョン・トラボルタだ。その中でも最大の見どころは、ステルス戦闘機だろう。なにせ、初めての実戦は、1999年であるらしく、この映画の公開は1996年で、その3年後、まだ、秘密のベールに覆われていたわけだ。

とはいえ、それらの見どころも過去のものである。残っているのは、ジョン・トラボルタぐらいか。たしかパルプフィクションで復活したんだっけ。まあ、それぐらいである。

なぜ、つまらないのかというと、登場人物が、ヘイル(善)、ディーキンス(悪役、トラボルタ)、テリー(ヒロイン)に限られているからだ。本来は、ステルス爆撃機、および、核兵器が、重要な役でなければならない。役がなければただの小道具でしかなくなってしまう。
登場人物が三人しかいないので、ステルス爆撃機、核兵器が登場するたびに、無理やりな偶然で、この三人が、それらに絡むということになってしまう。

群像劇にすればよかったのである。とはいえ、核兵器だと、それなりに巨大な問題を孕んでいるので簡単ではないだろう。
いい例としては、ゴジラシリーズがあるぐらいである。ゴジラシリーズを生み出すほどの熱量がなければ、核兵器でストーリーをでっち上げると、残念ながら、陳腐な物語となっていくわけだ。ブロークン・アローもその例に漏れず、いまは陳腐な作品となってしまった。

冒頭は、ヘイルとディーキンスのボクシングのシーン。二人とも空軍のパイロットでディーキンズの方が先輩で階級も上、しかも、ボクシングでは、ディーキンズが常に勝っている。
つまり、この映画は、ヘイルがディーキンズを乗り越える話なのである。ついでに、テリーという女性もゲットするわけだ。

ヘイルとディーキンスは、ステルス戦闘機で試験飛行。核弾頭二発を搭載している。突然、ディーキンズがヘイルを襲った。にしては、あまり、成功しているわけではない。うまくいかないので、ディーキンズは、緊急脱出装置を作動させて、ヘイルを外へ放り出す。
ここで、ディーキンズがヘイルを射殺していたら話は終わってしまうわけだ。

ディーキンズは、二発の核弾頭を落下させ、自分は緊急脱出し、ステルス戦闘機はそのまま墜落させる。地上にいた仲間と核弾頭を回収する。

一方、ヘイルは、地上に降り立ってしばらくすると、偶然、監視官のテリーと知りあう。
テリーと出会わなかったら、どうするのだろう。どうにかして、軍に知らせるしかないだろうな。

テリーとの出会いもそうなんだが、核弾頭を車で移送するディーキンズ一味をすぐに発見してしまう。さらに、車ごと核弾頭を奪還する。テリーが監視官なので道路事情に通じている、ということかな。

テリーとヘイルはいったん鉱山のなかへ。どうするのかといえば、核弾頭の起爆装置を無効にするのだ。パイロットはもしもの場合に備えて、核弾頭を無力化できるらしい。

ところがディーキンズ一味がすぐにやって来る。とりあえず、ヘイルは核弾頭を無力化しておいた。だが、ディーキンズ、よく見てみ、と言うので、見てみると、核弾頭は30分後に爆発するようになっている。
ディーキンズ一味が、核弾頭を操作すると、30分後に爆発するように改造しておいたのだ。そんなバカな、である。後半に出てくるが、ディーキンズ一味には、有能なエンジニアがいて、核弾頭の捜査をリモコンで行えるように改良するのだ。こちらも、そんなバカな、である。

ディーキンズ一味は、一発の核弾頭を持ち出して、ずらかった。その前に、鉱山のエレベーターを破壊しておいた。テリーとヘイルもろとも、核爆弾で吹っ飛ばそうというのである。だが、テリーは監視官なので、鉱山の中に地下水があることを発見する。すぐに、地下水に飛び込んで、核爆発を免れた。

ディーキンズ一味は、川を下り、核弾頭を貨車に乗せて、デンバーだかどこかの都市に向かう。その前に、軍の知るところなり、攻撃されたりするが、核爆発による通信機の混乱(電磁パルスによる)で見失う。

ヘイルはようやく軍に救出される。一方、テリーははぐれ、なんと、ディーキンズ一味の貨車を発見、潜入する。

ヘイルは、軍がディーキンズ一味の居場所を見失っている中、たぶん、ここだ、と山勘推理で、単独行動。あっけなく、ディーキンズ一味の貨車を発見、貨車に乗り込む。もちろん、テリーと再会する。そんなバカな、である。

最後は、ディーキンズとヘイルのボクシング対決。ヘイルが勝って、核弾頭のリモコンを操作して無効化する。なにかに引火して、貨車は爆発、ディーキンズは死亡、ヘイルは飛び降りて無事。

まさに偶然のオンパレードで、合理的に解釈するとすれば、ディーキンズにボクシングで勝てないヘイルの脳内妄想ということだけだ。
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