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落葉のsoのレビュー・感想・評価

落葉(1966年製作の映画)
3.0
嘘か真か、食品や薬品会社に従事する人が、その内実を知るからこそ、自社製品を絶対に口にしないという話はよく耳にする。

ワイン生産会社に就職したものの、品質の悪いものを悪びれず売り出す会社の実態に直面し葛藤する青年の物語。

自分自身を敵にまわしたら、一生みじめな思いをする
という言葉と、それを後押しするような「落葉」というさりげないタイトルがほろ苦い後味を残す。

オタール・イオセリアーニ監督作品としては珍しく、真っ向から問題提起と批判がなされている。冒頭では良心的なワイン造りの映像が流され、失われてゆくジョージアの象徴的な映像も随所に挟み込まれる。
「質より量」への批判はもはや手遅れなのかもしれないけれど、飄々とした主役ニコ、全男性陣を翻弄する小悪魔的ヒロイン、大人びた子供達の存在が新鮮で、映画として全く古さを感じなかった。
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