イオセリアーニは、大規模工業的な生産様式の伸長によってグルジアの伝統文化が瓦解しはじめ、彼らの生活様式にめまぐるしい変化が訪れつつあるということにとりわけ自覚的にカメラを向けた映画作家であった。まる…
>>続きを読む誠実と呼ぶべきか、それとも愚直と呼ぶべきか、何より若さであると思うが、当時はイオセリアーニも30歳そこそこであり、後年の作風に見られる「のらりくらり」な片鱗は見せるものの、至極真っ当に社会批判を繰り…
>>続きを読むソ連時代の大量生産方針に抗い、自社製品の不良品に目を瞑る姿勢にも疑問を抱く若き醸造家が主人公。これだけ聞くと、熱き社会派作品のように思われるが、青年ニコの飄々とした佇まいや、決して主題には躍り出ない…
>>続きを読む嘘か真か、食品や薬品会社に従事する人が、その内実を知るからこそ、自社製品を絶対に口にしないという話はよく耳にする。
ワイン生産会社に就職したものの、品質の悪いものを悪びれず売り出す会社の実態に直面…
出勤間もなく女とカフェ行って逃げられるくだりが超絶素晴らしい。スクリーンのオンオフと多重フレーミングを役者が動き回って別々の話を見事に転がしていく。映像の快楽がここにある!
手すりをさっと滑り降りて…
グルジア、ワインの醸造に観る近代化。
オタール・イオセリアーニ。
グルジアの伝統的なワイン作りでは、“クヴェヴリ”と呼ばれる卵形の壺を地中へ埋め、自然発酵させる。
冒頭でその様子が映し出されるが、…
これはド傑作や!ワイン工場で働くエンジニアの話。イオセリアーニなのに、意外と普通に葛藤と戦う若者のドラマで、ホント普通に面白い。主人公が女に告白しに家に乗り込むも、女とその女友達にからかわれ男に…
>>続きを読む初長編作品ではあるものの、やっぱりイオセリアーニの作風は良いよなと思わせられる。
最初のドキュメンタリー的な箇所だけで十分素晴らしかったのだけど、そこから自然主義的演出や長回し等を用いての描写の数…