TP

続・男はつらいよのTPのレビュー・感想・評価

続・男はつらいよ(1969年製作の映画)
4.3
 本作製作時点ではまだシリーズ化が決定しておらず、本作で終わりとの設定で作られているので、寅次郎の母親を巡る話などのサイドストーリーが充実していてパターンにハマらない中での展開が興味深い。
 子供の頃に通った私塾の先生(東野英治郎)の娘で幼馴染の夏子(佐藤オリエ。美人過ぎないのがいい塩梅)との微笑ましいやり取りの数々はさることながら、先生との友情から死別といった寅次郎の人生に影響を与えた出来事もしっかり描かれ、また京都の連れ込み旅館の女将となっている母親(ミヤコ蝶々)との確執(関西弁vs東京弁のやり取りや連れ込み旅館という風俗も見どころの一つ)からのエンディングという流れも一つのストーリーのまとまりとして非常によくできている。
 一方、このあとの作品と比較すると柴又のおいちゃんの家でのシーンが少ないし印象も薄い。

 「母親」関連言語の禁止の名場面や、おいちゃんとの掛け合い(やっぱり森川信のおいちゃんが一番好きだなぁ)などのユーモラスなシーンは大いに笑えるし、要所要所に名優を配していることもあり、シリーズものではなく1本の映画としてとても完成度が高いと思う。

 驚いたのが、とにかく山崎努が若い!また、源吉(佐藤蛾次郎)が結構セリフをしゃべること。結構いい味を出しており、なぜ回を重ねるごとにほとんど喋らなくなったのか。もったいない。
TP

TP